多田 陽子の「I am IRONMAN!!」
in アイアンマンJP五島長崎
2003年5月18日
朝6時50分頃。砂浜でスタートを待つ。
フローティングスタートなので、スイムの早いしげ・志郎・しのぶは100m先の先頭ラインまで行く。ここでお別れ。
いよいよ一人きりの戦いが始まる。私も50mラインまで行こうと思い泳ぎ出したが、怖じ気づいて戻った。
スタート10分前に、逆戻りしている選手なんて私くらい(笑)
6時55分頃になり、今度は行った。周りの人はみんなロープに乗っていた。
ついにスタート!何がなんだかわからないが、泳ぎ出した!幸い私の周囲にはなんのバトルもなかった。
でも、やばい〜〜怖い!!息が出来なくて溺れてしまいそう!本気でそう思った。
しかし、徐々に慣れてきて、この調子ならずっと泳ぎ続けれる、怖くない怖くない、と思い出した。
私はずばり「ロープ近くを泳ぐ作戦!」泳ぎながらずっと常に、ロープを確認していた。
しかし途中に置いてある巨大な浮き輪に何度も激突!
それでもロープの近くという安心感が私を支えていたので、ずっとロープ際を泳いだ。
なんとか1周終わり、陸の折返しまで、フラフラ走った。そこで45分!
いける!2時間以内ならバイクに移れるから、がんばれ!そう思った。
2周目になると、回りに人が少なくなった。ふと、ロープに立っている人が見える。きっとこの人も必死だ。
そしてその人は、少し泳ぐとまたロープに立った。ずっとその繰り返し。
なのに、泳ぎ続けている私とその人のペースは、1km程ずっと同じだった。泳ぎながら「私って遅いな〜〜」と思った。
2周目の折返しもおわり、あと900m!でも手が寒くてかじかんできた。
それでも大丈夫、あと少し!ここさえ泳ぎきれば、得意のバイクに移れる!と自分を励ました。
やっとSWIMが終わり、1時間45分。あれれ、2週目は1時間もかかっちゃった。
でもやったーー!制限時間は無事クリアー!トランジッションはなんと13分もかかった。
やっとこれからBIKE。SWIMが遅い為周りには誰もおらず、全開でとばす。早く誰か見たい。
一人目が見えてきた。あっさり抜いて快走中!よし!抜いた人数を数えて行こう!
と順調に飛ばしつづけたが、80km辺りで疲れがきた。
あれー息が苦しい!どうも過呼吸のよう。ヤバイヤバイ!
でも止まりたくはないので、こぐ足だけとめて、思いっきり息をはく。
少しマシになり、そのまま進む。
計3回通るあの3kmの峠、2回目に差し掛かった。
実は勾配は大したことないんだけど、巨大うちわでの応援のとき、嬉しくて毎回胸が苦しくなった。
と同時に、またまた息が出来ない!ふ〜〜ふ〜〜なんとか呼吸を整えて、早く下りになってくれ〜〜と思うしかない。
もうすぐというところで回転数もあがる。上りでも抜きまくり、結局100人くらいは抜いた。
バイクは練習会のたまものだ!
北周回も2回終わって、ようやく残り20km!おっなんか元気が出てきた!
やっとやっとバイクから降りられる〜〜!終わってランに移れる!やたら元気になってきた。
もう少しでトランジッションというところで、RUN中のしのぶ・西田さんを発見!「しのぶがんばれ!西田さんがんばれ!」と声をかけた。
後で聞いた話だが、私があまりに元気そうなんで、回りの走っている人達は笑っていたらしい。
RUNへトランジッション中、既に達成感でいっぱいだった。
「やった!やった!ついにRUNまできたーー!よし残り6時間ある!いける!がんばる!」
RUNが始まってしばらくは、また順調!結構軽い!このままいけば余裕で間に合う!
しかしそんな考えは甘かった・・・12km過ぎたくらいから足が痛い。それでも走りつづけたが、15kmくらいでついに歩いてしまった。
あーー絶対あるいちゃいかんのに〜〜そう思いながら、少し走っては歩き。
しかし18km辺りで思わぬ二人を発見!なんとしげと志郎だ!
しげはサドルが折れてバイク40kmを立ちこぎし、志郎も例の痛みに悩まされ、二人そろってつぶれてしまってて仲良く歩いていた!
「なんだーーー?!」でもなんか会えて嬉しい。でももちろん彼らは2周目。もうすぐ別れ道がくる。
でもそこまで一緒に走った。絶対完走せろよ!と励まされ、一人2周目に移った。
残り21km地点で時間はあと3時間。もしこのキロ10分ペースでは、18kmしかいけない!
ヤバイ!このままでは間に合わない!でも右膝も、左股関節も痛い。
でも間に合わないのだけは絶対いやだ!!!私はキロ8分で走ろう!と思いペースをあげた。
「痛くない痛くない。ほら大丈夫、走れるやん」と一人自分に言い聞かせ、間に合わなかった時のことを考えると泣きそうになり、絶対いやだ!と思い走りつづけた。
でもキロ8分は2kmしかもたなかった。。でもなんとかキロ9分で走りつづけた。
身体は前傾になり、痛い右膝をカバーするために、かなりのがに股になった。我ながらひどい走りだ、と思いながらも、そんなことはどうでもいい!なんとしても15時間に間に合いたい!アイアンマンになりたい!
残り10kmまできた。なんて長いんだ。たったの10kmなのに。もう何回も何回も計算を繰り返し、間に合うか?なんとかこのまま走れば58分くらいか!
でもそんなの何かあればもう過ぎてしまう。とにかく気持ちは焦っていて、半泣きだった。
しかも、いくつ越えてもまた坂道がやってくる。
一人「もーーー!」と叫びながら、足へのダメージも無視して、下りだけでも急いで下る。
あと2km!間に合うかも!やっと光が差してきた。街に入り、ついにあの残り600Mの看板が見えた!
やった!やった!もう気持ちは上り調子。ゴールに間に合う喜びに夢中で走った。
そしてそしてついに、大歓声の待つ門をくぐり、みんなが待っていた!そうVIKINGのみんなと一緒に手をつないで、ゴールに向かった。
うわーーーわーーーーーと大絶叫のなか、ついについにゴー―ル!!!
最高の瞬間だった!大興奮の中、みんなに胴上げされ、空中に舞った!
すごいすごい、今まで味わったことのない感動!こんな最高の気分はない。
ほんとうに頑張ってよかった!諦めなくてよかった!
私を支えてくれた仲間たち、応援してくれた沿道の人達、励ましてくれたTV局の方々、すべての人達に心から「ありがとう」を贈りたい。
I am IRONMAN !!
|
|